川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第159号

2022年3月10日(木曜日)発行
発行責任者 杉山雅章


目次

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1 ニュース&トピックス

(1) 音声解説付きDVD映画の体験上映会、2022年度上映作品が決定しました!

 センターでは毎月「音声解説付きDVD映画の体験上映会」を開催していますが、多くの映画ファンに愛され、人気イベントとしてすっかり定着しました。いつもご利用、誠にありがとうございます。
 昨年はさらなるアップグレードを図り、サウンドシステムを一新。スピーカーを増設し、より迫力ある音質で映画を楽しむことができるようになりました。
 さて、こだわったサウンドとくれば、やっぱり最上級のストーリーを楽しみたいものですよね?お任せください!2022年度の上映作品として、魅力的な12作品を選びました。この場をお借りして発表いたします。
 いずれも金曜日・土曜日の開催です。

 現在、内容など作品情報をまとめたプログラムを製作中です。拡大文字版・点字版・音声デイジー版・テキストデ―タ版・PDF版をご用意させていただく予定ですので、ご希望の方はセンターまでお申し込みください。
 またデータなどは、後日センターのホームページで公開する予定です。URLなどは、あらためてご案内させていただきます。

(2) 冬季パラリンピック情報

 3月4日に冬季パラリンピックが開会しました。日本選手団は29名。
 この中で、視覚障害選手は一人だけ。クロスカントリースキー男子20キロに出場した 有安 諒平(ありやす りょうへい)選手です。
 クロスカントリースキーは雪原をスキーで滑る競技です。有安選手が出場したのは、あらかじめコースにつけられた2本のレールに沿って滑る「クラシカル種目」。大会3日目の3月7日、有安選手はガイドスキーヤーの 藤田 佑平(ふじた ゆうへい)さんとともに出場、7位という結果でした。
 コロナ禍に負けずに滑り切った有安選手の健闘を称えたいと思います。


2 スタッフルームから/「あたし、女の子として生きたことがないのよ」

 貸し出しを担当しております藤本です。その一方、三姉妹の父をやっております。上は小学生、下は3歳児です。家族の80%が女性という中で生活しておりますが、特段不自由はありません。しかしながら、昨今の父親の育児参加などに押され、子どもの面倒を見るにつけ、どうしても慣れないものがあるのです。それは、髪の毛のお手入れ。

 まず、お風呂上りにドライヤーをかけるという文化。そんなもの風呂から上がってぴょんぴょん飛び跳ねてたら乾くもんだ!と思っていたら、全然乾かない。しかもそれでクッションに寝そべったりしてクッションがぐっしょり。さながら、グッションです。こりゃまずいと、三人順番にドライヤーをかけるのですが、どの子も私の経験したことのない髪の長さ。どこから風を当てたら効果的なのか、まったくわからない。今でこそ、かれこれ数年の経験を積み、遠くからドライヤーを振りつつ風を当て、髪の根元にも風が当たるように反対の手も使って比較的上手にドライヤーをかけられるようになりましたが、慣れぬうちはうっかり発狂して子どもの頭を掻きむしりそうになることもしばしばあったのでした。

 ついで、長い髪の毛と言えば、髪を縛るという文化も忘れてはなりません。これを怠ると、見事に髪の毛の先にカレーがつきます。もしくはスパゲティのソース。あるいはうどんなどを食す際には髪がつゆにつかんばかりで、その箸でもっているのは麺か髪かと心配になるほどです。というわけで、食事の折、もしくは出かける前に、子どもたちの髪の毛を縛るのですが、髪を縛るときのゴムの持ち方と言うのは、私の知っていたそれとまるで逆だったのです。私はゴムを小指側からかけて物を縛ることが多かったのですが、髪の毛は親指と人差し指でゴムを広げて髪束をつかむように縛るのです。このちょっとした違いだけで、器の小さな私の忍耐力はすぐについえてしまうのでした。

 しかし、考えてみれば性別の違いなどを問題にせぬよう、あれこれと配慮がなされ始めているような現代。そもそも女子の髪の毛が長いことこそ、ひとつ問題なのではなかろうか!そう気が付いた私は、妻に揚々と提案したのです。「女子だからと言わず、髪の毛を全員短くしてみたらどうだろうか!そうすれば僕もずいぶん育児協力がやりやすくなるだろう!」どうだ、これ以上の提案はなかろうと思った私に、妻はひとこと。「では、あなたが髪を伸ばしてみることから始めてみるのね。」

 ――なるほど、その考え方もまた至極もっともな話なのでした。


3 本棚を探して/「ラジオに関する本」

 点訳担当の浦野です。このメルマガに何度か書きましたが、私はラジオファンです。高校生くらいまでは、ほぼラジオをつけっぱなしという生活でした。ラジオを聴いて育ったといっても過言ではないでしょう。
 視覚障害者の中には、ラジオを聴く習慣をお持ちの方が多いと思います。そんなわけで、年に数冊はラジオに関する図書を点字製作しようと心がけています。今回は、ここ数年間に当センターで点訳したラジオ関係図書のうち、デイジー図書も製作されているものを紹介していきます。

深夜のラジオっ子 リスナー・ハガキ職人・構成作家
村上 謙三久 著
点字6巻 デイジー11時間12分
内容 深夜ラジオの歴史を軸に、10人の証言をもとに、構成作家という仕事とラジオの裏側を掘り下げる。「オールナイトニッポン全盛期」「ラジオの転換期」などを綴ったコラムも収録。
コメント 深夜ラジオを夢中になって聴いた頃が懐かしい、そんな本です。個人的には「コサキン」について触れられているところもうれしいです。
絶望名言 NHKラジオ深夜便
頭木 弘樹、NHK〈ラジオ深夜便〉制作班 著
点字3巻 デイジー4時間37分
内容 「明けない夜もある」「無能、あらゆる点で、しかも完璧に。」 絶望に行き当たり、絶望を見つめ、絶望の中で書き留められた文豪たちの「絶望名言」から生きるためのヒントを探す。NHKラジオ深夜便の人気コーナーを書籍化。
コメント 点字・デイジーともに当センターの製作です。「ラジオ深夜便」リスナーの方、おすすめです。
NHK子ども科学電話相談おもしろギモン大集合!!
NHK「子ども科学電話相談」制作班 著
点字2巻 デイジー3時間27分
内容 NHKラジオ「子ども科学電話相談」からの名作質問&回答集。「どうしてパンツははかないといけないの?」「宇宙人は悪者なの?」などの疑問に、個性的な先生たちが答える。
コメント こちらも点字・デイジーの両方を当センターで製作しました。子ども向けの番組ですが、大人が読んでも楽しめる本です。
瞠目笑(どうもくしょう) 天地万象をネタにした珍笑話集
林家 彦いち 著
点字6巻 デイジー10時間52分
内容 林家彦いちがTBSラジオ「久米宏ラジオなんですけど」のコーナーで披露した創作小噺63本をまとめる。久米宏の寄稿文、構成作家によるコラムも収録。
コメント 落語ファンにもおすすめの本です。「久米宏ラジオなんですけど」が放送終了しているため、新しい小噺を楽しめないところが残念です。

 最後に、今製作中の図書を1タイトル。完成をお楽しみに。

次の角を曲がったら話そう 伊集院光とらじおと自由律俳句の本
伊集院 光 監修
コメント TBSラジオ「伊集院光とらじおと」の自由律俳句コーナーを書籍化したものです。残念ながらこの番組は3月終了が決まっています。『瞠目笑』といい、番組が続いているうちに完成できないのが心残りです。

4 編集後記

 3月になり、温かくなってきましたね。寒さに負けて部屋に閉じこもりがちな最近の休日でしたが、これからは散歩に出かけよう!そう心に決めた春です。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
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電話:044-222-1611
ファクス :044-222-8105
メールアドレス:kawasaki-icc@kawasaki-icc.jp
公式ウェブサイト:http://www.kawasaki-icc.jp/


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