川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第263号

2026年7月10日 発行
発行責任者 稲垣直子


目次

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1 ニュース&トピックス

(1) 「CDで聴くクラシック音楽講座」のご案内

 第19回 北欧の国民楽派 フィンランドのシベリウスとノルウェーのグリーグ
 今回は北欧を代表する国民楽派の二人の音楽をお届けします。
 シベリウスの音楽は決してわかりやすい作風ではありませんが、透徹した響きから生み出される独特の清澄さと不思議な魅力を湛えており、まるで身体が白い世界に包まれていくような、そんな感じの音楽です。一方のグリーグは非常にわかりやすい抒情的な音楽が特徴です。また、どちらも自国の文学や神話などを曲の題材にしていることも特徴的です。
 夏の暑さが続きますが、少しでも涼しさを感じていただけるよう、選曲しました。どうぞお楽しみに。

演奏曲目
グリーグ作曲:「ペール・ギュント組曲第1番作品46より」、「ピアノ協奏曲イ短調作品16第1楽章」ほか。シベリウス作曲:交響詩「フィンランディア作品26」、「交響曲第1番ホ短調作品39第1楽章」ほか。
日時
8月1日(土曜日)13時30分から15時30分
定員
46名・先着順
申込締切
7月25日(土曜日)17時

(2) 「オーディオブック・サロン2026」のご案内

 オーディオブックは音声デイジーとは違ったタイプの「耳で聴く図書」で、プロのナレーターや声優が情感たっぷりに読んでいるのが特徴です。
 そんなオーディオブックの体験イベントを、日本点字図書館と共催という形で、東京都新宿区高田馬場にある日本点字図書館を会場に開催します。当日は体験コーナーほか、出版社の座談会も行われます。昨年センターで開催された際は150名ほどの来館があった人気イベントです。参加をご希望の方は、どうぞ早めにお申し込みください。

日時
9月12日(土曜日)
体験コーナー:(A)10時から13時、(B)13時から16時
2部制・完全入れ替え制(各時間帯で自由にご覧いただけます)
出版社座談会:12時30分から13時30分、別途申し込みが必要です。
場所
日本点字図書館3階(東京都新宿区高田馬場1-23-4)
定員
各回50名・出版社座談会20名・いずれも先着順
申込締切
9月5日(土曜日)17時
申込先
川崎市視覚障害者情報文化センターまで

 企画内容の詳細については、この後の「4 特集」コーナーをご確認ください。


2 スタッフルームから/「当たり前のこと」

 録音製作担当の大城です。スタッフとの何気ない会話の中で、改めて「当たり前って面白いな」と感じる出来事がありました。ある日、隣の席の藤本が、コンビニで買ったグアバの炭酸飲料を飲んでいました。周囲のスタッフもその飲み物を珍しそうに見て、「そう言えば、グアバって見たことないよね」という話しになりました。そこで私が「実家の庭にあるよ」と発言すると、「えー!マジで!」と仰天する藤本。そこに続けて「パッションフルーツもあるよ。なんならバナナも。」と言うと、またまた驚く藤本。その驚きように、かえって私のほうが驚いてしまいました。

 沖縄で生まれ育った私にとって、庭に野菜や果物があるのはごくごく普通のことで、ゴーヤやヘチマはもちろんのこと、マンゴーやドラゴンフルーツを植えている家庭も珍しくありません。実がたくさんなれば、お互いの家族やご近所さんにおすそ分けし、食卓には採れたての食材が並ぶ。沖縄ではそんな暮らしが当たり前でした。

 住む地域が変われば、庭に育つ植物も変わります。反対に、関東の住宅街を歩いていると、お庭の風景がまったく違うことに気づきます。自宅付近のお庭は、とても綺麗に整えられていて、香りの良さそうなハーブ、丁寧に手入れされたバラやアジサイに青々とした芝生。見たこともないお花や木の実。きっとこのお宅は、季節の花々の美しさを「観賞用」として庭を楽しんでいるんだなという印象を受けます。また、関東では庭に栗や柿の木がある暮らしがごく普通なことも、私にとっては新鮮な驚きでした。そう考えると、「当たり前」は、自分が育った環境がつくるものだなと改めて感じます。違いがあるからこそ、お互いの暮らしを知ることができ、面白いものです。

 皆様の身近な「当たり前」も、誰かに話してみると「そんなことがあるの!?」と驚かれる事があるかもしれません。私もそんな小さな発見を楽しみながら、その魅力を大切にしていきたいと思います。これからも、たくさんの経験を重ねながら、沖縄で育ったからこそ気づけること、首都圏で暮らして初めて知ったこと、その両方を大切にしていきたいと思います。上京して、もうすぐ2年になりますが、首都圏では当たり前の満員電車には、まだ慣れそうにありません。


3 ちょっと便利な毎日へ/「訓練担当コラム、一時復活」

 澤村です。数年前、あるデイサービスを見学した際のことです。皆さんは一日の活動を終えてほっとされたのか、とても穏やかな表情で、「おさんじ」(3時のおやつ)のお茶とお菓子をおいしそうに召し上がっていらっしゃいました。その光景を見て、私も将来は、穏やかな気持ちで「おさんじ」を楽しめるような生活を送りたいものだと思いました。

 そのときいらっしゃったお一人は当センターの利用者様で、少し前にお亡くなりになったことをご家族様からご連絡いただきました。85歳を過ぎてから全盲になられた方です。センターからお届けする図書をとても楽しみにしてくださり、ご家族様は「母は高齢で失明し、つらい日々を過ごしておりましたが、暗闇に取り残されることなく、楽しい本の世界へと導いていただきました。親子ともども、本と皆様に支えられてまいりました。骨壺には、デイジー図書の入ったSDカードを一緒に納めました。」とお話しくださいました。

 長い人生の中では、喜びも苦労も、さまざまな出来事がおありだったことと思います。その方は人生の終わりに、デイジー図書をそばに置いてくださいました。天国でも読書と「おさんじ」を楽しまれているでしょうか。(ご家族様には掲載のご許可をいただいております。)

 あらためて思います。センターの図書は、製作ボランティアの皆様や郵便配達の方々など、多くの温かな支えがあってこそお届けすることができます。その温もりが利用者様の日々を支え、ときには人生の最期の時間にも寄り添います。若い頃の私には十分に理解できていなかった、人と人との温かいつながりを、図書を通じて今、かみしめています。


4 特集「オーディオブック・サロン2026を日本点字図書館で開催
 -今度は、高田馬場で会いましょう-」

 音訳・音声ガイド担当の橋口です。

 あのオーディオブック・サロンが帰ってきました。視覚障害者関係のイベントで、オーディオブックを取り扱っているのはこのイベントのみで、日本市場で高いシェアを誇る大手配信事業者「オーディブル」と「オトバンク」が同時に出展するのも初めてとのことです。2社とも、皆様にお会いすることを楽しみにしていますので、この貴重な機会をどうかお見逃しなく!

 また、イベント内で小学館・集英社・KADOKAWAによる「出版社座談会」を企画しています。私たちが日頃大変お世話になっている本ですが、意外と出版社の方と会う機会ってないですよね。彼らがどんな思いを込めて本を送り出しているのか、その一端を知ることができるトークイベントです。出版社の方と交流もできますよ。

 さて、9月といえば夏の暑さを引きずっている頃でしょうか。2026年夏の思い出をこのビッグイベントで一緒に締め括ってみませんか。それでは皆様、高田馬場でお会いしましょう!


5 編集後記

 夏野菜が出回る季節になりました。私はズッキーニが好きです。輪切りではなく縦半分に切り、切り口に切れ込みを入れて、塩コショウを振り、ときにはチーズやツナをのせて魚焼きグリルで焼きます。ズッキーニ・ステーキは、簡単に作れて、歯ごたえもよく、おいしいですよ。しっかり食事をとって、これからの夏を元気に過ごしましょう。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 澤村実希


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
住所:郵便番号 210‐0026  川崎市川崎区堤根34番地15
電話:044-222-1611
ファクス :044-222-8105
メールアドレス:kawasaki-icc@kawasaki-icc.jp
公式ウェブサイト:http://www.kawasaki-icc.jp/


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