川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第190号

2023年6月25日 発行
発行責任者 杉山雅章


目次

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1 ニュース&トピックス

(1) 「音声解説付きDVD映画の体験上映会」のご案内

 7月は、アメリカ映画「裏窓」を上映いたします。

日時
7月21日(金曜日)・22日(土曜日) 13時30分から(1時間52分)
定員
30名・予約制
作品情報
カメラマンのジェフは事故で足を骨折し、ニューヨークのアパートで車椅子生活を余儀なくされていた。身動きの取れない彼にとって唯一の楽しみは、向かいのアパートのさまざまな人間模様を覗き見ることだった。アパートの一室には、ケンカの絶えない夫婦が住んでいたが、ある日妻が忽然と姿を消す。夫の行動に不信感を抱いたジェフは、夫が妻を殺したのではないかと推測する。友人の刑事に相談するも取り合ってもらえなかったため、恋人のリザと調査をはじめることにするが…。
監督
アルフレッド・ヒッチコック
出演
ジェームズ・ステュアート ほか

(2) 満席迫る!UDCast体験上映会

 第186号でご案内した、アプリで楽しむ特別上映会「コーヒーが冷めないうちに」、その続報をお届けします。上映日は8月19日と少し先ですが、すでに多くの方にお申し込みいただいています。ありがとうございます!
 本作は2018年に有村架純など豪華俳優陣によって映画化。原作も34言語に翻訳され130万部以上を発行、ハリウッドの映像化も報じられた快進撃が続く人気作です。
 舞台は喫茶店「フニクリフニクラ」。この店ではある席に座ると、カップのコーヒーが冷めるまでの間だけ、過去の望む時間に戻れるという不思議な噂がありました。ただし、そこには面倒なルールがいくつもあり、どんなことをしても現実は変わりません。それでも過去に戻り、会いたかった人との再会を望む客たち。ところが、ある席にはいつも「謎の女」が座っていて…。客たちは願う過去に戻ることができるのでしょうか。
 このコーヒー一杯が紡ぐ奇跡の物語を、一緒にUDCastで鑑賞しませんか?操作に自信がない方へのサポート企画もあります。詳しくはセンターまで。

 UDCast体験上映会イベントページはこちら。

(3) サピエ停止のお知らせ

 サピエ目録サーバのメンテナンスのため、6月26日(月曜日)7時から17時まで、サピエのサービスは全面的に停止となります。ご利用の皆様はご注意ください。


2 スタッフルームから/「止まる片づけ、止まるな人類」

 自宅の物置きから、昔のパソコンが出てきまして、そもそも休日に片づけをしようと思っていたのに、起動しようとうっかりスイッチを押してみましたら、あら、ついちゃった。というわけで、片づけの日を、郷愁のパソコンいじりでつぶしてしまった貸し出しの藤本です。

 21世紀幕開けの頃、WindowsのパソコンといえばWindows2000とか、WindowsMeとかといったものが主流でした。価格は今と大して変わりはなく、10万円そこそこで手に入るものだったと記憶しています。パソコンの性能は64メガバイトのメモリを搭載し、ハードディスクの容量は2ギガバイトくらいのものが一般的でした。USBメモリはまだ高価で、しかしフロッピーディスクではなくCD-RやCD-RWが媒体として流通し始めていました。インターネットには電話回線(ダイヤルアップ)で接続し、毎回ファクスとも違うピーヒョロロロロ、ピガーピガーという音を聞きながらインターネットの世界に入り込んでいたことを覚えています。インターネットプロバイダーのせいか、ビッグローブやgoo、あるいはYahooといったホームページが隆盛で、Googleという検索サイトは地味な印象がありました。

 点字図書館業界で言えば、デイジーが出てから数年、サピエの前身に当たるないーぶネットが動き始めた頃です。点字データをインターネットでやりとりしてもよいとする著作権法の改正があったのもこの頃でした。

 あれから約20年が経って、パソコンの性能は大幅に上がりました。メモリは16ギガバイトのものが一般的になり、ハードディスクに代わりSSDと呼ばれるタイプの記憶容量では、ギガを越えて1テラバイトなどといったものも出てきました。

 パソコンはこの20年で、数字だけ見れば実に200倍以上の性能を得たわけですが、人類がパソコンでやることの多くはさほど変わっていないような気がします。文書の作成、メールのやりとり、ネットの閲覧。変わったのはせいぜい動画が増えたといったところでしょうか。もともとの人類の性能がそう跳ね上がるわけでもないので、当然のことかもしれません。世の中が徐々に便利になっていることに気が付かないこともよくあります。そうであれば、前よりもよくなったことをときどき噛みしめて、次への歩みを止めないことこそ人類の進む道なりと、それらしいことを考えて、そういえば片づけがすっかり止まってしまっていたと我に返っては歩みを止めるなと自分に言い聞かせる藤本でした。


3 本棚を探して/「発表!本屋大賞2023」

 4月12日、今年の本屋大賞が決定しました。大賞を受賞したのは 凪良(なぎら)ゆう さん。2020年の本屋大賞『流浪の月』に続き2回目の受賞となりました。過去に、2度も大賞を受賞したのは恩田陸さんに続き二人目です。各順位の得票をみると、今年は上位3作品が得票を伸ばし、特に1位は断トツで、2位に55点もの差をつけていました。反対に5位から9位までは30点の間に5作品がひしめくという混戦ぶりでした。今回は書店員からの支持を特に集めた第3位までをご紹介します。

■本屋大賞『汝、星のごとく』凪良 ゆう 著
 点字製作中 デイジー11時間41分

内容 瀬戸内の島に育った女子高生と、自由奔放な母の恋愛に振り回され転校してきた少年。心に孤独と欠落を抱えた二人は惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。

コメント 5月14日、横浜そごう7階の紀伊國屋書店に立ち寄ったところ、凪良ゆうさんがいました!偶然にもサイン会を開催中で、長蛇の列でした。楚々とした日本美人とお見受けしました。オーラがすごかったです。

■第2位『ラブカは静かに弓を持つ』安壇 美緒 著
 点字5巻 デイジー10時間31分

内容 少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し心を閉ざしてきた男は、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠を掴むこと。美しき孤独なスパイが最後に手にするのは…。第25回大藪春彦賞受賞。

コメント 現代の東京を舞台にした驚きのスパイ小説ですが、音楽小説としても面白いです。

■第3位『光のとこにいてね』一穂 ミチ 著
 点字製作中 デイジー11時間40分

内容 古びた団地の片隅で出会った私たちは何もかもが違った。着るものも食べる物も住む世界も。ひとつの愛に惑うふたりの四半世紀の物語。

コメント お互いが傷ついて生きてきたことを、お互いだけが知っている。愛する人には、光の中にいてほしい。無償の愛を感じる1冊です。

 貸し出しをご希望の際は、当センターまでご連絡ください。


4 生活お役立ちメモ/「ラジオ番組表」

 皆様はどのようにラジオの番組表を確認しているでしょうか。
 センターには以下の点字番組表が定期的に届きます。センターからも配布できますので、ご希望の方はお問合せください。

 ※NHKは音声デイジーあり。また、テレビ番組表の点字・デイジーあり。

 上記はNHKを除き、音声版はありません。ただし、文化放送に関しては情報誌「フクミミ」がサピエからダウン可能で、番組表も収録されています。また、TBSラジオの点字番組表には音声コードが付いていますので、専用機械やスマートホンで音声を再生できます。
 これら以外にどのような確認方法があるでしょうか。
 パソコンをお使いの方は、高知システム開発のマイニュースで閲覧するのが便利です。トップ画面から「目次」→「ラジオ」→「番組表」と選択します。スマートホンをお使いの方は、radikoの公式アプリや、その他のradiko対応アプリを用いるのが便利です。詳しくはセンターまでお問合せください。


5 編集後記

 センターでは来週から、点訳者向けに触図製作講座を開講します。触図については、このメルマガでも取り上げたいと思いながら、今号をお届けします。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
住所:郵便番号 210‐0026  川崎市川崎区堤根34番地15
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ファクス :044-222-8105
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公式ウェブサイト:http://www.kawasaki-icc.jp/


メールマガジンは ここまでで終わりです。


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